30代の転職で試用期間中の給与は本採用後と違う?

30代の転職で試用期間中の給与は本採用後と違う?

30代の転職でも、試用期間中の給与が本採用後と違うことはあります。ただし、試用期間だから会社が自由に給与を下げられるわけではありません。試用期間中の賃金、本採用後の賃金、切り替わる日を、雇用契約書や労働条件通知書などで確認する必要があります。

試用期間中と本採用後で給与が違うことはある

試用期間中の給与を本採用後より低く設定すること自体は、直ちに違法とはいえません。たとえば、試用期間中は月給28万円、本採用後は月給30万円という条件で、会社と労働者が合意しているケースです。

ただし、試用期間中も会社と労働者の雇用契約は成立しています。「試用期間だから無給」「試用期間だから最低賃金を下回る」といった扱いは認められません。

賃金を含む重要な労働条件は、会社が労働者に明示する必要があります。労働条件の明示については、労働基準法で定められています。

給与の違いで確認する4つの項目

求人票の月給だけで判断せず、次の項目を試用期間中と本採用後で見比べてください。

確認項目 見るポイント
基本給 試用期間中と本採用後で金額が変わるか
固定残業代 含まれる時間数と金額が変わるか
手当 資格手当、役職手当、住宅手当などが試用期間中も支給されるか
切り替え時期 入社日から何か月後に本採用後の給与になるか

たとえば「月給30万円」と書かれていても、試用期間中は月給27万円で、3か月後に30万円へ切り替わる場合があります。月給の中に固定残業代が含まれる場合は、基本給と固定残業代の内訳も確認しましょう。

給与の違いが有効になる条件

試用期間中の給与を本採用後と変える場合は、少なくとも次の点が明確になっていることが重要です。

  • 試用期間中の給与額
  • 本採用後の給与額
  • 給与が切り替わる時期
  • 基本給と手当、固定残業代の内訳
  • 給与の支払日と締め日

これらが雇用契約書や労働条件通知書に記載され、入社前に説明されていれば、試用期間中だけ給与が低い契約になる可能性があります。

一方で、採用時には本採用後の給与しか説明されていなかった、入社後に突然減額された、契約書に記載がない条件を一方的に示されたという場合は、会社に根拠を確認してください。

30代だから給与の扱いが変わるわけではない

試用期間中の給与が本採用後と違うかどうかは、年齢が30代であることでは決まりません。会社の賃金制度、職種、経験、求人条件、雇用契約の内容によって変わります。

30代の転職では、前職の経験や役職を理由に給与を確認することがありますが、「経験者なので試用期間中も本採用後と同じ給与」とは限りません。反対に、年齢だけを理由に試用期間中の給与を不当に低くできるわけでもありません。

最低賃金を下回っていないか確認する

試用期間中であっても、原則として地域別最低賃金以上の賃金が必要です。月給制の場合は、基本給だけでなく、最低賃金の計算対象になる賃金と対象外の手当を分けて確認します。

最低賃金の金額は都道府県や時期によって異なります。また、一定の業種には特定最低賃金が適用されることがあります。現在の金額を判断するときは、勤務地を管轄する都道府県労働局や厚生労働省の公表情報を確認してください。

なお、最低賃金を下回る契約を会社と合意していても、その部分が有効になるとは限りません。固定残業代や手当の扱いも関係するため、単純に「月給の合計額」だけで判断しないことが大切です。

求人票と実際の給与が違うときの考え方

求人票の給与と、雇用契約書に書かれた給与が違う場合は、まず試用期間中の条件として別に定められていないか確認します。求人票に「試用期間中は給与が異なる」と書かれていれば、その条件が適用される可能性があります。

反対に、求人票や面接では月給30万円と説明され、試用期間中だけ27万円になることを事前に説明されていなかった場合は、会社に次の点を確認してください。

  1. 試用期間中の給与額と、その根拠となる規定を確認する。
  2. 雇用契約書や労働条件通知書の記載を確認する。
  3. 求人票、メール、面接時の説明など、給与条件が分かる資料を保管する。
  4. 説明と契約書の内容が違う理由を、会社の担当者に書面やメールで確認する。

給与の条件が明確にならない場合や、未払い・最低賃金違反が疑われる場合は、勤務地を管轄する労働基準監督署や、総合労働相談コーナーなどへの相談を検討できます。

試用期間終了後に本採用されない場合も給与とは別に確認する

試用期間が終われば必ず本採用されると考えがちですが、試用期間には適性や勤務状況を確認する目的があります。ただし、本採用を拒否することは、通常の契約終了とは異なり、会社による解雇にあたる場合があります。

本採用拒否が有効かどうかは、試用期間の契約内容、会社が示した理由、勤務状況などによって判断されます。給与が本採用後と違うことと、本採用を拒否できるかどうかは別の問題です。

転職前に確認する給与条件

入社を決める前に、次のように具体的に確認すると、試用期間後の給与差を見落としにくくなります。

  • 「試用期間中の月給はいくらですか」
  • 「本採用後はいつから、いくらになりますか」
  • 「基本給と固定残業代の内訳を教えてください」
  • 「試用期間中も支給される手当はどれですか」
  • 「試用期間が延長された場合、給与はどうなりますか」

たとえば、試用期間が3か月で月給が3万円低い場合、3万円×3か月=9万円が本採用後より少なくなります。これは説明のための計算例ですが、転職後の生活費を考えるときは、賞与や残業代だけでなく、試用期間中の手取りも含めて見積もる必要があります。

30代の転職でも、試用期間中の給与が本採用後と違うことはあります。判断の基準は年齢ではなく、雇用契約に記載された給与額、切り替え時期、手当の条件です。入社前に労働条件通知書などを確認し、説明のない減額や最低賃金を下回る条件がないかを確認してください。