30代の転職で賞与込みの年収に決まった相場はありません。年齢だけでなく、職種、経験年数、勤務地、企業規模、現在の年収、賞与の支給実績によって大きく変わります。求人票の年収と自分の年収を比べるときは、月給だけでなく賞与や固定手当を含めた「年間の総支給額」で確認しましょう。
賞与込みの年収は「月給×12カ月+賞与」で計算する
賞与込みの年収は、基本的に次の式で計算します。
賞与込み年収=月給×12カ月+年間賞与
たとえば、月給30万円で賞与が年間2カ月分の場合、計算は次のとおりです。
30万円×12カ月+30万円×2カ月=420万円
ただし、求人票の「月給」に固定残業代や各種手当が含まれている場合があります。比較するときは、基本給、固定手当、固定残業代、賞与の算定対象を分けて確認することが大切です。
30代の転職年収は年齢だけでは判断できない
30代は、前半と後半で経験や役職が変わりやすいため、「30代なら年収はいくら」と一括りにはできません。特に次の条件によって、賞与込みの年収は変わります。
- これまでの職種と実務経験
- 管理職経験やチームをまとめた経験
- 資格や専門スキル
- 転職先の業界と職種
- 勤務地や企業規模
- 賞与の支給月数と会社業績
- 転職後に任される役割
同じ30代でも、未経験職種への転職では年収が下がることがあり、経験をそのまま生かせる転職では現在の年収を基準に提示されることがあります。したがって、年齢だけで求人の年収が高いか低いかを決めるのは適切ではありません。
求人票の年収に賞与が含まれているか確認する
求人票に書かれた年収は、賞与込みの場合と、月給を単純に12カ月分した金額の場合があります。年収の数字だけで判断せず、次の項目を確認してください。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 年収の範囲 | 下限と上限のどちらを基準に提示されるのか |
| 賞与 | 年何回か、何カ月分か、業績連動か |
| 月給 | 基本給と手当の内訳 |
| 固定残業代 | 何時間分が含まれ、超過分が別途支給されるか |
| 手当 | 毎月支給か、条件付きか |
| 初年度の賞与 | 入社時期によって満額支給されない可能性があるか |
「賞与年2回」と書かれていても、支給額が毎年同じとは限りません。賞与が業績や評価によって変わる場合、求人票の年収は確定額ではなく、一定条件での想定額として扱われることがあります。
現在の年収と転職後の年収を同じ条件で比べる
転職先の年収を判断するときは、現在の年収も同じ方法で計算します。源泉徴収票や給与明細を使い、年間の総支給額を確認すると比較しやすくなります。
- 現在の月給を確認する。
- 毎月支給される固定手当を確認する。
- 直近1年間の賞与の総額を確認する。
- 残業代や一時金など、毎年確実に支給されるとは限らない金額を分ける。
- 転職先の提示年収と、同じ項目で比較する。
たとえば、現在の年収が月給32万円×12カ月と賞与60万円で構成されているなら、賞与込みの年収は444万円です。転職先の提示が「年収450万円」でも、賞与の割合が大きく、初年度は賞与が減る場合は、実際に受け取る金額が現在と近くなる可能性があります。
この計算例は、年収を比較する方法を示すための仮定です。実際の金額は、雇用契約や会社の支給条件によって異なります。
30代の転職で年収を判断する基準
30代の転職では、次の3つを分けて考えると判断しやすくなります。
1. 現在の年収を維持できるか
まずは、現在の賞与込み年収を基準にします。ただし、転職先で職種や役職が変わる場合は、単純な維持だけでなく、仕事内容や将来の昇給も含めて比較します。
2. 転職による負担に見合うか
通勤時間、勤務地、残業時間、休日、転勤の有無などが変わる場合、年収の差額だけでは判断できません。年収が増えても、固定残業時間や通勤費の自己負担が増えると、働き方や手取りの実感が変わることがあります。
3. 賞与に依存しすぎていないか
同じ年収でも、月給が高く賞与が少ない求人と、月給が低く賞与が多い求人では、毎月の収入と賞与の変動リスクが異なります。安定した月収を重視する場合は、年収だけでなく基本給と固定手当を確認しましょう。
年収交渉では希望額の根拠を伝える
年収を交渉する場合は、「30代なのでこの金額がほしい」と伝えるより、現在の年収と経験、転職先で生かせる実績を具体的に示す方が判断材料になります。
たとえば、次のように伝えます。
「現在の賞与込み年収は約450万円です。これまでの営業経験と既存顧客の管理経験を生かせると考えているため、同程度以上の条件を希望しています。賞与の算定条件や初年度の支給見込みも確認したいです」
希望額を伝えるときは、年収だけでなく、月給、賞与、固定残業代、初年度の賞与を含めた条件で確認しましょう。最終的には、内定通知書や雇用契約書に記載された条件を基準に判断します。
30代の転職で賞与込み年収を確認するときの結論
30代の転職で賞与込みの年収に一律の正解はありません。まず現在の年収を「月給・手当・賞与」に分け、転職先の年収も同じ条件で比べることが重要です。
年収の数字だけでなく、賞与の算定条件、初年度の支給額、固定残業代、毎月の基本給まで確認してから判断しましょう。







